篆刻体験をしました

 22日(金)に社会科の授業で篆刻体験をしました。これまで「わたしたちの県のまちづくり」で,伝統工芸が盛んな六郷地域のはんこづくりを学習しましたが,今回は実際にはんこづくりの職人さんである小宮山さんにお越しいただき,自分の名前が印字されたはんこを作りました。

 最初に字の起源やはんこの歴史および伝統工芸品の条件などをお話していただき,はんこについての学習を深めることができました。その後,いよいよ自分の名前が書かれたはんこが渡され,鉄筆とよばれる道具を使って字を彫り始めました。鉛筆で字を書くように線を引くのではなく,刃を字の右側に押し込んで溝を作り,その溝を繋げていくというやり方で彫り進めていきました。失敗しないように根気と集中力が求められる作業で,子どもたちからは「字が多くて大変。」「すごい集中力がいる。」「疲れたぁ。」など,苦労している様子がよく伝わってきました。特に画数が多い子は,彫る場所がとても細くて大変そうでした。しかし,みんな最後までよく集中し,一人も失敗しないで素晴らしいはんこができました。小宮山さんにも「90点以上のでき」とお褒めの言葉をいただきました。

 最後は,学習して感じたはんこづくりに関する質問を小宮山さんにしました。その中で,職人さんやお店の数が昔より減っていること,手作業で作るので,一日にできる数が限られていること,伝統技術を引き継ぐ人が少なくなっていることなど,伝統工芸品を残していく上での課題を再確認することができました。はんこは生活する上では欠かせないものではありますが,昨今でははんこを無くそうという風潮もあり,伝統工芸品をいかに後世に残していくかが問題になっています。今日の体験学習を機に,子どもたちがはんこにより一層興味を持ち,伝統工芸品を引き継ぐことのきっかけになればと願っています。