研究授業の裏側
11月8日5校時に5年2組で研究授業が行われました。
保護者の皆様の中には、小学生だった頃、研究授業をした覚えのある方もいらっしゃることでしょう。
今日は、この研究授業の裏側を少しだけご紹介します。
研究授業を通して、よりよい授業作りを研究していきます。
それが、子供たちに確かな学力を育むことにつながるからです。
子供たちが目を輝かせて、いきいきと学習する姿をイメージして、春から計画を練り始めます。
授業の計画を書類にまとめます。これを指導案と呼びます。
指導案には、単元の目標、教材の分析、児童の実態、指導方針、単元の計画、評価計画、黒板の書き方などがまとめられます。
つまり、指導案というのは、授業の設計図です。
検討段階では、さまざまなアイディアが浮かびますが、大切なのは、単元の目標を見失わないことです。
そして、その目標を達成するために、子供の実態に合わせた様々な手立てを考えることです。
今回の単元の目標は「目的に応じて、文章と図表などを結び付けるなどして必要な情報を見つけたり、論の進め方について考えたりすることができる」です。
子供たちに、その力を付けるために、教科書には「固有種が教えてくれること」という説明文(これを教材と呼びます)が用意されています。
つまり目標を達成するために、教材を利用するということです。目的と手段の関係です。
教材文「固有種が教えてくれること」という文章を読んで、動物に詳しくなればよいということではありません。
本時の目標は、「文章と資料を結びつけたり、その効果を考えたりすることができる」でした。
担任は、わざと図や写真を隠した資料を黒板に貼っています。
あとから図を見せます。児童は「図があると、わかりやすいな」と感じます。
そこから、資料があることの効果(ここでは良さ)を子供たちに考えさせていきました。
授業後には、全員で授業の成果と課題を話し合います。
授業の流れは適切だったか。
子供たちがいきいきと学習できるようにと用意した手立ては有効だったのか。
子供たちの発言やノートの記述内容をもとに分析していきます。
意見を付箋に書いて出し合います。忌憚のない意見が飛び交います。
担任は、授業中、黒板に児童の発言をチョークで書いていきます。(これを板書<ばんしょ>と呼びます。)
授業後に見返した時、授業の流れや子供たちの考えた事が一目でわかる板書が良い板書だと言われています。
板書の記録写真からも、成果と課題が分析されていきます。
教師が授業を見合い成果と課題をまとめる、この研究授業という手法は、日本発祥らしいのですが、海外でも「レッスン スタディー」と呼ばれ、広く取り入れられ始めていると聞きます。
留学生を受け入れている国立大学付属小学校などでは、さまざまな国から教師が来日し、その手法を学んでいるそうです。
これからも、子どもに確かな学力を育むために努力してまいります。
今日は研究授業の裏側をご紹介しました。