研究授業の裏側2022

学校では、よりよい授業づくりのために、毎年、研究授業を行っています。

昨年に引き続き、今年も研究授業の裏側をご紹介します。

昨年の授業の様子も、よろしければお読みください。

今年は1年2組で授業が行われました。

教科は算数。単元は「どちらがおおい ~どのいれものが いちばんたくさん はいるかな~」でした。

かさの単元です。

水のかさを比べる学習です。

形の違う3つの容器にジュースが入っています。

「一番多いジュースはどれかな」と聞かれたら、どのように調べるでしょうか。

大人の皆様ならどうしますか。

大きな入れ物に移し替えますか。

それとも小さな入れ物に移し替えますか。

もしかしたら、重さで比べるかも知れませんね。

さて、子どもたちはどうしたのでしょうか。

多くの班が、大きな容器に移し替えました。

こうすれば、かさは水面の高さで比べられます。

これを間接比較といいます。

別の容器を利用して量を比べる方法です。

これに対して、もともと入っていた容器に直接入れて比べるのが直接比較です。

Aの入れ物にBのジュースを入れてみる。あふれたらBの方が多いという具合です。

これは2つの容器を比べる時にはいいのですが、3つの容器となると難しい方法です。実は3つの容器というのが本時(ほんじ)のポイントなのです。直接比較では比べにくい状況を設定することで、発想を発展させたいというねらいが隠されています。

量の比較は、直接比較 → 間接比較 → 任意単位の利用 → 普遍単位の利用と発展していきます。

次の写真をご覧ください。

こちらのグループは「小さなコップ何杯分」を調べて比べています。

これが任意単位の利用です。

普遍単位(mL、dL、L)は、2年生で学習します。

ちょっと遠回りのようですが、体験を通して、量の概念や性質の理解が深まります。

・量とはものの大きさを表している。

・長さ、重さ、かさ、時間などいろいろな種類がある。

・1個、2個と分かれている量もあれば、長さや水のかさのようにつながっている量もある。

これらが量の概念です。

・かさは形を変えたり、分けたり、動かしたりしても、そのものの量は変わらない。

これが量の性質です。

長さや重さ広さなど別の量の学習でも、基本的な流れは同じです。

この授業では、子どもたちの発想に答えられるようにとたくさんの道具が用意されていました。

授業後の研究会では、これらの準備が十分だったか、学習の流れは適切だったか、多くの意見が出されました。

研究授業は海外で「レッスンスタディー」と呼ばれ導入が進められている、日本が誇る実践的な研究方法です。

これからも、よりよい授業を目指して研究を続けて参ります。

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